硝子体手術で一旦復位していた裂孔原性網膜剥離が、残存硝子体皮質が網膜から剥離することで網膜再剥離となった症例を、ここ数ヶ月で2例経験しました。1例はアトピー性皮膚炎のある25歳男性で、13歳時に両眼の巨大裂孔網膜剥離に対して他医で輪状締結術+硝子体切除術+水晶体前摘出術が行われていました(結膜と強膜の間の癒着のほとんどない、非常にきれいな状態でした)。今回は左眼の網膜再剥離に対して硝子体切除術を行った...
20代前半の女性患者さんの硝子体手術を最近経験しました。20ゲージのMVRで強膜創を作るわけですが、手術も後半になると20ゲージのみならず19ゲージの強膜プラグもユルユルになり、ボトル高が30cmくらいの低眼圧でも強膜創からピョンと飛んでしまいます。若い人は強膜が柔らかいのでこんな事態になるのですね。強膜プラグを紛失してしまったら、最悪の場合には術中単純X線撮影となってしまいます。注意注意。...
硝子体手術中、完全後部硝子体剥離が既に生じていると思われる状態で、30プリズムレンズを通して観察しながら周辺硝子体をカッターでカタカタ切除している場面を頭に描いてみてください。重力によって網膜側に垂れ下がっている後部硝子膜の断端が、通常はカッターの吸引力で吸入切断口まで引き上げられて、円周方向に連続して切除されていきます。ところが、カッターをある程度近づけても後部硝子膜の断端が非剥離網膜側からなかな...
重症の増殖硝子体網膜症(PVR)で、網膜上膜や網膜下索を除去しても網膜が十分に伸びず、液空気置換後も裂孔が閉鎖しない場合には、次善の策として網膜切開を行わねばならない場合があります。しかしその前に一度手を止めて考えてください。裂孔をバックルで閉鎖できないでしょうか。バックルなら、裂孔縁に多少の接線方向の牽引が残っていても裂孔を塞ぐことができるかもしれません。既存のバックルがあればそれを移動させるのも...
以前取り上げた硝子体手術時の強膜圧迫手技ですが、その具体的テクニックについて良いご質問をいただきましたので再掲します。----------------------------------------------------------------質問 圧迫周辺部切除時に左右と上方は良いのですが下方がうまく観察できません。強膜創を支点にして、うまく眼球を下転させられないのがひとつの原因ではないかと考えていますが、なにかこつがあれば教えてください。RE:質問 ご質...
硝子体手術での眼内内視鏡は本当に便利ですね。液空気置換後は眼内が見づらくなるので、内部排液などはほぼ100%内視鏡映像のみで操作しています。 例えば、内視鏡下で内部排液をする際には、当たり前ですがバックフラッシュニードルの先端と裂孔とが同じ視野に見えていなければなりませんが、一度器具の先端が視野からはずれてしまうと、ビギナーさんはそれを戻すのに苦労するようです。バックフラッシュニードルをやみくもに動...
裂孔原性網膜剥離に対する硝子体手術の中盤です。術者右手側の強膜創に一致する方向の網膜に子午線方向の襞が現れました。これな〜んだ。 右手の器具を出し入れするする際、どうしてもポートがOpenになるので、灌流液の漏れと一緒に硝子体が嵌頓してしまうことがあります。胞状の網膜剥離なら、その嵌頓した硝子体に引っ張られて網膜に襞ができてしまうのです。すぐにボトルを30cmくらいまで下げるか灌流を止めるかしてから、ポ...
眼内剪刀やブラシ付きバックフラッシュニードルを無造作に眼内へ挿入すると、強膜創に嵌頓している硝子体を引っ掛けて、大きな鋸状縁断裂を起こしてしまうかもしれません。そうなっちゃったらもうホント大変です。 硝子体切除をざっと行ったら、眼内剪刀やバックフラッシュニードルといった硝子体を引っ掛けそうな器具に持ち替える前に、挿入する強膜創の周囲の硝子体を徹底的に切除しておきましょう。強膜を圧迫して行っても良...
増殖糖尿病網膜症で、既に牽引性網膜剥離が生じていると、手術の難易度は一段アップします。裂孔を作らないように丁寧に接線方向の牽引を解除するか、裂孔を作っても仕方ないと思って徹底的に線維血管膜を除去するかのどちらかですが、ホントに疲れます。 増殖型の初期に硝子体出血が生じて眼底が見えなくなり、Bモードエコーでもたいした牽引性網膜剥離はなさそうで、出血後1ヵ月くらいで手術をしてみたら、丈の低い牽引性網膜...
硝子体手術で周辺硝子体を効率良く切除するために強膜圧迫は必須です。角度が垂直になっている斜視鈎が分かりやすくてビギナーにはお勧めですが、結膜上から圧迫すると、痛みが生じ易いことに加えて、結膜嚢の深さ以上には後極へ挿入できず、赤道部近くの裂孔を見逃してしまう心配があります。輪部で360度結膜を切開すればもちろん良いのですが、そこまでしなくても、あなたの作った(輪部に平行な)結膜切開の両端で、少し長め...